道端で高そうな腕時計とネックレスを押しつけられるの巻

最近すっかりご無沙汰です!
ごった煮飲み会とか、シュールストレミングを食べる会とか、Twitter大規模忘年会とか色々書きたいことはあったんだけど、完全に期を逸してしまったなぁ。
そんな感じですっかりサボっていた訳だけど、今日はちょっと珍妙な出来事があったのでご報告までに。




研究室で深夜作業をしていて、夜11時頃夕飯を買いにいった時のこと。
大通りから少し離れた人通りの少ない路地を歩いていると、前方の信号で止まっていた黒い車の後部座席右側から人が降りてきて、車の後ろ側をぐるっと廻り助手席に再び乗り込むのが見えた。
この時点で妙なことをやってるなぁ、と感じたのだけど、今思えばその予感は大正解だったわけで…




信号を渡った先でその車はハザードランプを付けて停車しており、自分がその横を歩いて通り抜けようとすると、急に助手席に乗っている人が声をかけてきた。「ちょっとお兄さん、別に道聞きたいわけじゃないんだけど、ちょっと話聞いてくれませんか…」




話の内容を要約するとこんな感じ。

  • 自分達(二人組だった)はデパートか何かの関係者である。
  • こっそりガメてきた品物を換金しようと思ったが、この夜遅い時間では質屋も開いていなくて処分に困っている。
  • これから会社に戻らなければいけないが、その品物を持ったままではとても帰ることはできず、今乗っている車も会社のものなので車に置いておくわけにもいかない。
  • 捨ててしまうのも勿体ないから、誰かにあげてしまおうと考えていた。貰ってくれないだろうか。
  • 実売38万円程度する品だから、質屋に入れればそれなりにお金になるはずだ。
  • できれば無料であげたいところだが、せめて飲み代程度でも出してもらえると嬉しい、っていうか出せ。


と言って、化粧箱に入ったペアの腕時計とネックレスをそれぞれ開けて見せながら、押しつけるように渡してきた。
信用できないなら名刺を見せるから、と言って名前と肩書き入りの名刺を見せつけてくる。どうやら見せるだけで、くれるわけでは無いらしい。




あまりの不条理な出来事に、この時点で押しつけられた二つの化粧箱を僕は一旦受け取ってしまったのだけど、「飲み代を出してくれないか」と言われたあたりで、ずっと動転していた頭がようやく冷静になってきた。
上に挙げた説明があまりに流暢すぎる、と思った。




焦っているような振る舞いをしているけども、急場凌ぎの言い訳であれだけ的確に現状を説明できるものか、という疑問が浮かんできたし、最初に一人助手席に乗り移ったのも、道の左側を歩いていた自分に声をかけるためだったのか、と気づいた。
写真入りでない名刺を見せられたところで、プロフィールが正しかったり、本人である保証がどこにもない。
そして何より、そんな上手い話があるわけがない、と理性が強くアピールしていたのでどうにか断ることができた。
かなり執拗に食い下がってきたし、トークも上手だったので、これは儲けものだという意識が少しでも残っていたら結構危なかったと思う。




そんなに処分したいなら頼むから他を当たってくれと強く言うと、向こうもいい加減諦めたようで、彼らは車を走らせ去っていった……かと思ったら20mも離れていないところで停車して、別の人と全く同じ交渉をしていた!
しかもその人受け取ってるし!お金出してるし!
その人達が悪人である確信が持てなかったので、ちょっかいは出せませんでしたが。
声をかけるべきだったのかなぁ…






というお話。
あんまり胡散臭かったので、研究室に戻って「腕時計 詐欺」でググると似たようなケースが大量に!
http://www2u.biglobe.ne.jp/~nk3/it01.htm
http://crime.log.thebbs.jp/1105354231.html




どうやら安物をそれなりの値段で売って儲けようという詐欺(厳密には詐欺ではないとか)みたい。
見せられた名刺の名前は上の方のサイトに載せてあったし、念のため覚えておいた車のナンバは、下の方のURLの99レス目のものとピッタリ一致していた。(カーナンバをここで書いて良いのかは判らないので引用はしないけど)
どうみてもクロです本当にありがとうございました。




そういうわけで、関東近郊で広く行われている手口らしいので、同じような人に遭遇したらみなさんもお気を付けて。
そんなに騙されやすそうな人間に見えたのかなぁ…、年齢二回り間違えられるくらいショックだわ、まったく。